ブログ内検索

2016年4月1日金曜日

反射でなく蓄積を

 「締切のない仕事をする」應典院を退任するにあたり、「今後何するの?」と何人かから問われ、口についたのがこの言葉であった。これまでは、例えばニュースレターをはじめ、ささやかながら締切に追われることが多かった。無論、大学教員としては時間割にあわせて授業準備をしなければならない。しかし、書きものとでは性格が異なる。
 締切と言って想い起こすのは、藤子不二雄の自伝的作品『まんが道』で描かれた電報である。1954年、富山から上京した2人は、10本の原稿を抱えたまま、年末年始を郷里で過ごした。そして年明け早々、「ヨソヘタノンダ」の電報が届き、結果として8本を落とすことになった。この時の心境が、カラー原稿の採録がされた2012年版「まんが道」の発売時、安孫子素雄先生への取材で「デビュー直後にでっかい失敗をしたのがよかった」と語られている
 折しも4月1日、この日に思うのは、てんとう虫コミックス版『ドラえもん』7巻の「帰ってきたドラえもん」である。何度思い返しても「ウソ・エイトオーオー」という命名に感服する。昨今、エイプリルフールの悪ふざけが過ぎることを危惧してか、今日はSNSの投稿で『エスパー魔美』の1コマを目にした。高畑和夫の「冗談というのは、みんなでゆかいに笑えることをいうのです。」だ。
 これまで瞬発力で言葉を重ねることが多かった。環境が変わった今、型を変えたい。反射でなく蓄積を大事にしよう。ささやかな挑戦である。

0 件のコメント:

コメントを投稿