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2017年4月15日土曜日

縁と運

熊本の朝は雨模様となった。前日のうちにレンタカーを返却していたので、ホテルから肥後大津駅まで歩き、そこから昨日も乗車した無料シャトルで空港まで向かった。珍しく余裕のある行動をしたので、予約不要の9人乗りの車に7番目で乗ることができた。満車となった後も、恐らく7人ほどが乗車待ちをしていたようだが、それらの方々はタクシー2台に分乗し、シャトルよりも早く、空港に向かっていった。

空港では、昨日お邪魔した西原村の農家、曽我さんがお見送りに来てくださった。お菓子と高菜漬けとラーメン、そしてデコポン2個をいただいた。「いまが時期だからね」とは、曽我さんの弁である。明日、デンマークに旅立つことをご存じの曽我さんだったが、出発前に今の熊本の味を食べていって欲しい、という気持ちが重ねられたと思い、道中でただくことにした。こうして、あたたかいお見送りをいただいた後、来年の再会を誓った上で東京へ向かった。

東京には短い滞在となるが、去年、お世話になった後輩との軽い食事と、毎年恒例となったシンポジウムにお邪魔するという予定を入れていた。「ことしもまた、新たな縁を結ぶ会」と題した会は、2003年から、ほぼ毎年お邪魔させていただいている。大阪大学の大学院に進学した2002年の合宿で、この会の「縁結び役」である大熊由紀子さんから「こんな会をしているの」と紹介をいただいたのだ。もともと、医療や福祉を専門としているわけではない私ではあるが、社会心理学やまちづくりといった観点から人々の暮らしや仕事の環境をより良くしていく上で、この会に集う方々や扱われる話題には高い関心を持ってきた。

今年のテーマは「精神医療革命」「医療安全」「施設型福祉の未来」だった。初めてお邪魔したときから、写真記録のお手伝いをさせていただいているが、毎回、話題提供で招かれる方々と間近で触れることができる特権をいただけていると感じている。10年あまりの参加の中で、その後に関係を深めさせていただいた方々もいることを思えば、「運」を待つことや祈ることではなく「縁」を結ぶことが大切なのだとつくづく思う。そんなことを思った今日、今回は終了後に実施されている関係者の懇親会は欠席とさせていただいたのだが、翌日の移動のために取った宿で、予約したタイプとは違う部屋に変わったところ、「お礼に」と、シングルモルトのウィスキー(しかも12年もの)を振る舞っていただけて、これは幸運、と喜んでしまう俗な私であった。


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