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2017年6月12日月曜日

気にかけられる喜び

 オールボー大学では春の学期が終わりを迎え、夏休みを迎えつつある。今、在籍しているコミュニケーション・心理学部の基本棟から歩いて5分以内の場所に住まいを用意いただいるが、少し前には日中に学生と思われる方々の往来をよく見かけていた。ところが、木々の成長によって家の窓から道行く人が見づらくなったことを差し引いても、キャンパスを行き交う人の姿はまばらになっている。それもあって、時折、SNSで知人・友人等が投稿している日本のキャンパスの風景を見ると、帰国した後やっていけるか、ささやかな不安さえ抱いてしまう。

 そうした中、今日は秋のセミナーシリーズでの話題提供者にエントリーをした。毎週水曜日の15時から、文化心理学研究センターが行っている「キッチンセミナー」に、である。開催直前の土曜日までに発表要旨を送ることがルールとなっており、15分ほどのプレゼンテーション後、議論が尽きるまで、最長で17時までのディスカッションが重ねられる。ちなみに発表日は11月15日となった。

 話題提供をしないか、と誘っていただいたのは、進行役を担っているPinaである。オールボー大学に着任して程なく、受入担当のMogens先生から学部のメーリングリストに私の自己紹介を送っていただいた後、Pinaからは「キッチンセミナーに参加しない?」と案内をいただいた。ちょうど「金継ぎ」をメタファーにした研究ということもあり、参加しやすいのではないか、という配慮もあってのことだった。秋学期のセミナーは9月6日から始まるようで、自分の発表の回まで、メンバーの方々とさらなる交わりを深めていくこととしたい。

 セミナーへのエントリーの後、お昼にはお蕎麦をいただいた。日本で買う蕎麦とは違うのだが、近所のスーパーで安売りされていたものである。デンマークでも、廃棄食品を減らすことに注力されており、生鮮食品を中心に割り引き販売されているものをよく目にする。昨日に続いてドラえもんを引き合いに出してのことになるが、「石ころぼうし」や「どくさいスイッチ」などで描かれている、気にかけられなくなることのさみしさにも思いを馳せるのである。


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